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 ≪大槌町ボランティアに同行して≫
201212月、20136月、12月と続けて3回、石丸由理先生とバイオリンを担ぎ、被災地大槌町の仮設住宅を訪れました。

初めて大槌町に入った時は瓦礫が全部片づけられていて静かな海と山、そしてあとは何も無し。持ち主のいない建物の残骸が所々。工事の車だけが走り、人のいない光景にあ然としました。…皆に会いに来たのに 人はどこ?…  無機質な地割番号で分割された仮設住宅を探し回り、山の細い道をどんどん入っていく車。海に生きている人たちがどうしてこんな山の中に…ようやく探し当てた番号の仮設住宅は、まるで荷物コンテナをつなげただけに見えました。ショックでした。でも集まってくれた方々は皆温かく、仲間意識が強く、優しくて、応援に駆け付けてくれたワイズメンズクラブの方々、YMCA宮古ボランティアセンターの方々の協力もあって、楽しい時間を過ごし、皆さんに喜んで頂けた手ごたえを感じました。

今回のクリスマス訪問では、仮設を去った人もいるかわりに、もう行き場もなく残されてしまった人のあきらめみたいな空気を感じ、音楽ボランティアの我々も いつも以上に心に寄り添う音楽を選曲する責任を感じました。でも大槌の皆さんは気持ちがやさしいし何より「今までいろんな団体が音楽をやりに来てくれたけど、今日のが一番楽しかった!」とわざわざ言いに来て下さった時、“私にもお役に立てることがあるんだ”と涙が出そうになりました。

                                    石塚みどり

                  

新幹線が新花巻に近づくと雪が舞ってきました。
釜石線を乗り継ぎ釜石に着くと、荒れる海を想像していましたが、とても穏やかな深い藍色の海。ひょっこりひょうたん島に続く道は、まだ手すりもない状態でしたが震災前を思いながら渡りました。

ユリ・リトミック教室では震災後楽器を集め、子供たちやお母さん、ワイズの方など、たくさんの方に協力して頂き、楽器を磨き、小学校や幼稚園・保育園に届けてきました。当たり前にあった音楽が、離れた私たちでさえ音をだすのにしばらくとまどった震災。今回仮設住宅を訪れ、一緒に音楽や歌を楽しみましたが、被災地で演奏するから、歌うからこそ感じる重みを実際に感じずにはいられませんでした。月のセプテンバー・コンサートでも石塚先生がバイオリンで演奏したエルガーの『愛の挨拶』。今回の演奏は多くの気持ちを紡いで全く違うものでした。

そして石丸先生考案の音楽とクイズの融合は、子供からお年寄りまで楽しめる内容で、さりげなく入ったリトミックの要素は大人の方もリズムにのって挑戦されて、笑顔がたえませんでしたね。

暖かく迎えてもらった釜石ですが、山の奥にある仮設住宅からはなかなか出かけることはできないそうです。日常と少しでも違う時間を過ごしてもらい、人や音楽と触れる時間がもっていただけたかなと思っています。あるお年寄りは海で季節を感じていたと話してくれました。穏やかな春が早く訪れることを願います。

                                為我井香苗

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